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- 2017.06.26
- 稚魚池の生態系について
今から本格的な夏のシーズンに入っていきますけど稚魚池の生物ろ過について書いてみます。
基本的に多くの稚魚池にはろ過槽(物理・生物ろ過)は設置されていません。
従って稚魚が排泄する有機物(フンなど)は稚魚池の底に沈殿して溜まってきます。
それを泥の表面に生息している自然のバクテリアが無機物へと分解しています。
しかし稚魚が排泄する有機物に加えて多量の稚魚のエサも稚魚池に混入しますので大変汚染されやすい環境になります。
当然のごとく有機物が分解されないまま放置状態となりやがて「ヘドロ」に変わっていきます。
泥表面がヘドロに覆われてきて酸素が失われていきますしヘドロから硫化水素が発生して大変過酷な環境になります。
そうなれば多くの稚魚はエラをやられ犠牲になり易い水質になります。
また有機物の濃度が高まればそれらを栄養とする藻類が湧き始め水温が低かったり太陽光線量が少ない時期は
茶色に水が変色します。
そして水温上昇に加えて日差しが強くなると緑色の藻類が増え始めていきます。
特にこの緑色の藻類は光合成をして酸素を水に供給してくれるのは良いのですけど純酸素を放出するのでpHが11位に
上昇してきます。
とても異常なpH数値ですね!
そして夜間藻類は酸素を消費しますので明け方には稚魚池の水の溶存酸素は非常に危険な状態になります。
酸欠により死亡する稚魚もいます。
業者の方がたまにこの緑色の藻類を減らすために稚魚池の泥をかき混ぜる為に長靴を履いてかき回されるところを
見たことが有ります。
「こうすると緑色が薄まる」と言われたことが有ります。
これは泥をかき混ぜる事で稚魚池に入る太陽光線を制御する事により藻類の光合成を防ぐ効果もありますが
本当は泥をかき混ぜる事により泥表面に酸素を供給する事により有機物が分解されて藻類の量が減少するからです。
瀬戸内海の沖合で船によりこの作業を見たことが有ります。
需要と供給では無いですが定期的に水質検査をすればこのようなことをある程度防ぐことが出来ます。
それと自然の生物ろ過(バクテリアによるろ過)の把握も大事な事でそれに対する稚魚の数を考えていく必要性があります。
やはり観察日記をつける事が何より大事です。