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2017.07.20
稚魚池について-3

2017-2 (3)

稚魚池におけるアンモニア、亜硝酸塩上昇の原因について私なりの考えをまとめて
みました。
まずは通常の稚魚池などでよく見られる過程を書きます。

稚魚池にミジンコなどの動物プランクトンを湧かすために鶏糞などの有機肥料を
撒きます。
この際に使用量を間違えるとアオコの発生やアンモニア、亜硝酸塩上昇の原因に
なります。
鶏糞は有機物です。
この有機物をバクテリアが分解して無機栄養分を作りそれを利用して
植物プランクトンが発生します。

その後植物プランクトンを捕食するためにミジンコなどの動物プランクトン発生。

動物プランクトン大量発生後に死亡=赤潮状態

赤潮はプランクトンの死骸をバクテリアが分解(分解する際に酸素を消費するので
魚が酸欠になりやすい)
赤潮は富栄養化が進む海域、湖、ダムなどでよく発生します。

ミジンコやお米などは直接有機物や有機肥料を吸収出来ません。
有機物や有機肥料をバクテリアが分解して無機物にすることで初めて吸収出来る
のです。
ミネラルプラスはこの原理を応用して40種類のミネラルを配合しています。

稚魚池の場合は、肥料の過多によりバクテリアが分解する過程において発生したものと
考えられます。
それと有機物(鯉の餌の残り、フン、尿など)が、追い討ちをかけたのと水温上昇と
紫外線量が起因していると思われます。

しかしもし肥料分が適正であっても有機物(鯉の餌の残り、フン、尿など)の量と
水底における酸素不足からくるバクテリアの減少が最大の要因です。
(無機肥料の窒素はアンモニウムです。亜硝酸が増えるのはその中の一部が変化した
こともありますが、主な原因は餌や糞の不十分な分解が原因です。そのためバクテリア
の硝化作用で アンモニウムや亜硝酸の濃度を下げることができます。
下がっても硝酸塩が蓄積されてはいつかは環境破壊となります。
硝酸塩が蓄積すれば必ずpHは酸性化されます。
そのために通性嫌気性細菌を含むバクテリアが有効となり、総窒素量を低下させる
ことができます。
Bacto Powerにお任せください!)

対処法としては、
1.水に対流を起こし水底に生息するバクテリアに酸素を供給する。
2.エアーレーションの強化
3.バクテリアの追加
4.水の入れ替え
5.一時的に稚魚を避難させる
などが得策だと思われます。

ついでに言いますと野池もそうですけど稚魚池でも風通しの良い場所が最適です。
その理由は「ガス交換」が出来るからです。
泉水池でも同じことが言えますね!

【植物プランクトン】
植物プランクトンの増減は、日射量、水温、降雨量などの気象条件に影響されます。
もちろん水に含まれる栄養度にも関係してきます。
光合成を行った際に副産物として糖分、ビタミンを生産する。
これを動物プランクトンが捕食し更にミジンコ⇒コイが捕食する。

一概に植物プランクトンといいますが、多くの種類を総称して「植物プランクトン」
と呼ばれています。
有名なクロレラもその一種で、「緑藻類」の仲間です。
その他には、「藍藻(らんそう)類」「鞭毛(鞭毛)類」「珪藻(けいそう)類」
などです。
もし稚魚池が、かなり富栄養化状態になると「藍藻類」のミクロキスティスと言う
種類が優占率は、全体の99%にもなると言われており他の植物プランクトンが
ほとんど見られない状態になります。

ミクロキスティスの特性としては、以下のような物があります。
1.湖面表層部に集中分布して光と栄養を独占しています。
5月~8月の太陽光線の幅射量が高い時期に水面上に独占して住んでいます。
それは珪藻類は、池の表面近くに入射する光ではうまく光合成出来ない(光阻害)
ので表面より少し下の場所が適しているのです。
珪藻類は、比重が少し重いのでそれもあって表面より下の位置が適しているのです。
ミクロキスティスは、細胞内にガス空胞を持っているので表面に浮上しやすく
池面表層に 独占して住み着くようになります。
したがって下層の植物性プランクトンに光が届かなくなり光合成できなくなり
他の藻類は死滅してしまいミクロキスティスの独占状態になります。

2.ミクロキスティスは、動物プランクトンに捕食されにくい。
湖沼生態系の食物連鎖の中では、植物プランクトンは、動物プランクトンの餌に
なります。
ミクロキスティスは、群体を作っているので塊が大きすぎて餌に出来ないのです。

3.ミクロキスティスは、体内に毒をもっているのでミジンコなどが捕食できない。
また体から化学的防御として藻体外にミジンコの摂食行動を阻害する物質を放出
しています。

English Summary
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