NEWS&TOPICS
- 2015.07.25
- 生きている水と死にかけている水
35年前くらいにふと「生きている水」というテーマを思いつき色々考えた時期が
ありました。
その一方で「死にかけている水」というのも存在するかもしれないと考え試行錯誤
した時がありました。
熱帯魚ですから水槽に水道水を入れてカルキ抜きを入れるとカルキが抜けた水道水が
出来ます。
魚にはカルキ(塩素)が有毒であるのは知っていましたが、すぐに魚を入れると
水が白濁したり臭くなったり魚が非常に高い確率で病気になりました。
その後カルキを抜いて1週間ポンプを回してから魚を入れると順調に飼育出来る事を
知りました。
しかしなぜか水が新しすぎるせいか魚の艶が良くありませんでした。
新しい水のどこがいけないのか?
しばらく謎でした!
その後バクテリアが有機物を分解してくれることを文献で知りました。
しかし実際に水質が安定してくるのは淡水魚で約1ケ月かかり海水魚で約3ケ月
かかることも実験したのちに理解しました。
この安定するという意味には水槽内に「ミネラル」がほどほどに蓄積することにより
バクテリアが色んなミネラルを吸収して生活している事にも気づきました。
魚も体の為や細胞の為にミネラルを吸収しています。
水槽内や自然界においてこのバクテリアが環境を維持している事の重要性を知り
驚きと興奮したことを思い出します。
「生きている水」とは適正なバクテリアが好環境下(ミネラルたっぷり)において
生息している事であると確信しています。
新しい水には、これらミネラルを始め水槽内において食物連鎖が未完成だったのです。
一方「死にかけている水」とは、有機物の量とバクテリアのバランスが崩れている
環境下の水です。
即ちゴミ(有機物)の量とゴミを片付ける人(バクテリア)の量のバランスが崩れている環境です。
必ずゴミ(有機物)は、分解処理しなくてはいけません。
ろ過槽内に溜めておくだけでは水質は確実に悪化します。
「1週間に一度ろ過槽を洗うから問題無い」と言う人もいますし「強制ろ過を
付けているから大丈夫だ」と言う方もおられますが果たして本当に大丈夫でしょうか?
有機物は、1週間の間にドンドン腐敗して水質はドンドン悪化します。
残飯をゴミ箱に1週間放置しているのと同じです。
強制濾過器内においても同様なことが起きています。
ろ過槽内に溜まった有機物はバクテリアが存在しないためにドンドン腐敗してヘドロに
なって行くのです。
一方バクテリアが存在するろ過槽内においては有機物はドンドン分解されてやがては
無害な茶色の土になります。
「バクテリアは、勝手に池の中に増えて来る」と言う方の声を聞いたことがあります。
確かに空気中にバクテリアは浮遊しています。
バクテリアは、本来地球上で一番生息している場所は地表です。
いわゆる土の上ですね。
土の上は、有機物(動植物の死骸など)が多く存在していますし酸素も十分に
あります。
しかし風などによってあらゆる場所へ浮遊して飛んでいきます。
日本にも中国から病原菌や有害物質を含んだ黄砂が飛んで来ています。
その一部が皆さんの池に落ちたりして住み着くようになります。
しかし依然ご説明したようにバクテリアはそもそも「バイオフィルムの中」で
生活します。
バイオフィルムの生成が無理な材質においては生きていくことが出来ません。
また空気中のように酸素が十分でない池もあります。
地表に比べてミネラル分も非常に少ないですしpHも不安定で安心して住める環境
では無いのです。
Bacto Powerを定期的に使用してもらうのは、特にこのpHの変化により弱った
バクテリアが死滅していくからです。
そして閉鎖された池などの環境下では、自然界に比べて有機物の量が多いからです。
(Bacto Powerの使用量は、水1トンに10gとしていますが汚れがひどいと感じた時
には20g使用しても30g使用しても問題ありません。
ただし濾過槽には、しっかりとエアーレーションをして下さい。)
その多い有機物とは鯉に与えるエサです。
自然界の池では誰もエサなど与えていません。
ここに参考になるお話がありますので説明します。
広島のカキは全国的にも有名ですけどカキいかだを組んでいかだに紐をつけてカキを
ぶら下げて養殖しています。
カキは水中のプランクトンを食べてそして排泄物を海底に落としています。
そうすると海底には排泄物が分解されずにヘドロになって行くのです。
ヘドロ周辺は、非常に酸素不足の状態になりますし潮流も流れが悪くなり新鮮な
酸素が来ないのでカキは酸欠で死滅しやすくなります。
その為にいかだをヘドロ環境(貧酸素状態)から酸素の多い環境に移動している
のです。
カキ以外にも最近はやりのマグロ養殖も同じことが言えますしヘドロが蓄積する事
で様々な病気の発生が問題視されています。
Bacto Powerを養殖業界に紹介しないといけないですね!?
このように自然環境下においてバランスが取れていた場所にカキの養殖を始めたため
に予想外の有機物(カキの排泄物)が増えたのでバクテリアの生息不可能な環境に
なってと言えます。
池のろ過槽内にエアーレーションをする理由は鯉の為ではなくバクテリアの為
だったのです。
バクテリアが活性化しないとやがては鯉も色んな病気になる可能性が高くやがては
死んでいく環境になると思われて間違いありません。
ヘドロが溜まりやすい池は要注意です。
「生きている水」にはバクテリアがしっかりと生息している。
こんな環境下なら鯉もバクバクエサも食べてしっかりと成長する事でしょう!