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- 2020.07.03
- 浸透圧調整について-1
ゆっくりと落ち着きをみせて泳ぐ錦鯉には癒されます。
我々も癒され血圧も安定します。
しかし池で泳ぐ錦鯉は大変な思いをして泳いでいるのです。
必死な思いで生きるために泳いでいるのです。
魚類は、生まれてから死ぬまで体を防御し続けている場所があります。
それが「エラによる浸透圧調整」です。
浸透圧調整をしているのは「エラにある塩類細胞です」
エラと言えば水の中の酸素を取り込んでいる器官であると皆さんはご存じですよね。
そして意外かもしれませんが、エラからアンモニアを排出しています。
錦鯉はアンモニア全体の80%はエラから排出しているのです。
そして大変重要な浸透圧調整の働きも行っています。
さて浸透圧とは?
「濃度の異なった2種類の液体を隣り合わせに置くとお互いに同じ濃度になろうとする。
この同じ濃度になろうとする力を浸透圧という。」
身近で分かりやすく言えば野菜を塩漬けにした状態と考えるとイメージがしやすいです。
野菜を塩漬けにするとシナシナになっていきますよね!
野菜の水が塩分濃度薄いですから全て外に出て塩分が野菜の中に入るイメージです。
この原理を利用したのが「逆浸透膜(リバースオスモウシス)」システムでシンガポールや
中東などでは大型のプラント開発が進み天然海水を飲料水に変えて利用されています。
中国では地下水を日本酒に合うように逆浸透膜を利用して日本酒と変わらない品質の製品を生産し 海外に輸出しています。
ヨーロッパの錦鯉業者や一般ユーザーでは当たり前に使用していますし中国の錦鯉生産業者も使用しています。
インドネシアでも使用しているそうです。
水質が悪い地域ほど「逆浸透膜(リバースオスモウシス)」システムを使用しています。
日本では水道水の水質が良いのでさほど一般家庭でも普及していません。
でも日本の水が良いから、水に対して無関心の方が多くおられるのが現実です。
※逆浸透膜とは、ろ過膜の一種であり水を通しイオンや塩類など水以外の不純物は透過しない性質を持つ
膜のこと。
半透膜は水や小さな物質は通しますが、大きな物質は通さないという性質があります。
コーヒーのフィルターやザルのようなイメージです。
いわゆる純水と呼ばれるもので鉄やカルシウムイオンなどが0%になります。
ただのH2Oだけになります。
すなわち導電率0の水になります。
以前水質に難しい熱帯魚には逆浸透膜(リバースオスモウシス)をよく使用していました。
問題はこの純水にどの種類のミネラルをどれだけ加えるかでずいぶんと悩みました。