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2016.01.15
水質について-1

KIKIさん

鯉の飼育・管理は飼育水の水質を如何に良好に保つかにかかっています。
特に閉鎖された環境で高密度に飼えば更に良好に保つ事が重要になります。
その為に最適な飼育水を保つ知識は大変重要で飼育水の状態によって鯉の健康は大きく左右されます。
鯉の病気の大半は、飼育水の悪化という環境ストレスから起こります。
また鯉の健康に対してだけでなく飼育池を長期に美しく保つ上でも飼育水のろ過、浄化に関わる知識は非常に大事な事です。
是非とも鯉の飼育水の正しい管理知識をマスターしましょう!

ほとんどの生産業者、愛好家は地下水を使用されていると思いますが、地域によってその水質はまちまちでまた季節によっても変化しますし降雨の前後で水質も変化します。
是非とも季節ごとや降雨後の水質をチェックして必ずメモを取るように心がけてください。
この定期的なデータを取る事は、今後において非常に大事ですので必ず専用のノートなど用意して継続してメモを取るようにお願いいたします。

主な水質分析について
1. pH
水素イオン濃度のことで鯉の最適pHは、6.8~7.5であると思います。
ちなみにpHが1違えば水素イオン濃度は10倍違います。
例えばpH6.0にいる鯉をpH7.0の池に移動した場合には水素イオン濃度が10倍違う事になり、pH6.0にいる鯉をpH8.0の池に移動した場合には水素イオン濃度が100倍違う事になり非常に危険な事です。
いわゆる「pHショック」と呼ばれているこの水素イオン濃度の違いで多くの鯉は環境変化によるストレスにより内臓を痛めたりエラの粘膜がやられて最悪呼吸困難となり死亡する場合もありますし、体表の粘膜ははがれ出血を伴う事もあります。
pHショックになりやすいケース
・ 選別時において稚魚池と選別用タライの水のpHの違い
・ 野池から泉水池に移動した時に起こるpHショック
・ 出荷の際(泉水池と出荷用の水のpHの違い)
・ 展示会において到着した袋の中の水と展示用プールの水のpHの違い
・ 大幅な水換えに伴う泉水池と新水のpHの違い等
対処法としては相互の水のpHをチェックして少しずつ水をミキシングしながら調整した後に鯉を移動する。
※ バクテリアも生き物ですから最適なpHがあります。
最適pH6.5~7.5として考えてください。
理想はpH6.8~7.2です。

2. 総硬度(GH)
水中に溶けているカルシウムイオン、マグネシウムイオンの濃度の事で
この濃度の濃い水を「硬水」濃度の薄い水を「軟水」といいます。
鯉の最適なGHは,3°~10°であると思います。
良く鯉愛好家が、pHを上げるために「カキガラ」を使用される方がおられます。
カキガラの成分である炭酸カルシウムが水に溶けている酸に反応してカルシウムイオンが水に溶け出して、確かにpHは徐々に上昇しますがGHも同じく徐々に上昇してGHの数値が上がり次に記載するように鯉に様々な悪影響が出てきます。
・ 産卵機能障害
・ 病気の多発
・ ストレス症状の多発
・ 体表の粘膜分布の異常
以上のような環境ストレスが、病気の多発という副産物を生んできます。

カキガラを入れる前に何故pHが下がるのか考えてください。
またどうしてもカキガラを使用する場合は、GHを定期的に計測して下さい。
pHが下がる主な要因は下記に列記します。
・ エサが多くフンも多い。
・ 食べ残しエサが多い。
・ 使用している地下水の炭酸塩硬度(KH)が低い。
・ 飼育数がろ過能力を上回っている。
・ ろ過材に不適格なものを使用している(バクテリア定着の悪いもの)
・ 池の循環が悪い。
・ 池の水流が弱い。
・ 水換えのサイクルが遅い。
それ以外にもありますが主な要因は以上です。

English Summary
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