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- 2022.01.07
- 有機酸について
「何故pHが下がるのか?」と質問を受けた際にお客様に説明した一部を
説明します。
錦鯉のエサには、たんぱく質を含む魚粉や植物性の成分が使用されています。
エサから出るたんぱく質が、バクテリアなどによって分解されて最終的に窒素分
(硝酸塩)になりますし 有機酸が、水に溶け込みpHが酸性に傾いていきます。
以前もこのサイトで説明したかもしれませんが、「有機酸」について少し説明いたします。
有機酸とは酸性の有機化合物の総称です。
梅干しなどに含まれる「クエン酸」、お酢に含まれる「酢酸」、りんごの酸味である
「リンゴ酸」などがあります。
有機酸の対義語として「無機酸」という物質もあります。
無機酸は、無機化合物の化学反応で得られる酸の総称です。
別名「鉱酸(礦酸、こうさん)」とも言われています。
有機酸と無機酸の違いは「炭素」を含んでいるか、含んでいないかによって
分別されます。
例をあげると、
酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸など炭素を含むものが有機酸なのに対し
塩酸、硫酸、硝酸などの炭素を含まないものが無機酸です。
根から出る「根酸」が鉱物を溶かしてミネラルを吸収する話は以前したと思いますが
生きるためには進化を遂げる必要があったのですね!
動物に比べて植物の果実はクエン酸、リンゴ酸などの有機酸を多量に蓄積しています。
なぜ植物(果実)に多量の有機酸が蓄積されるのか?その役割は何か?
植物種の生存、繁栄は種子をどれだけ効率よく散布するかにかかっており進化の
過程でいろいろな戦略がとられ現在に至っています。
果実は動物に食べられることで種子を散布する戦略をとり動物が食べやすい「味」を
持った進化をしてきました。
しかし、植物に限らず酸素呼吸をするすべての生物(細胞)においてはクエン酸、
コハク酸、リンゴ酸といった有機酸は必ず含まれていて大変重要な働きをしています。
動物は糖類、脂肪類を食餌として摂取しますし、光合成植物は太陽エネルギーを
取り込んで二酸化炭素から糖を合成します。
ですから錦鯉のエサを与えることによりたんぱく質が分解されて有機酸が出てくる
のでpHは下がってきます。
それ以上に「硝酸塩」がpHを下げる大きな要因です。
ですから定期的な水換えが必要となります。
でもBacto Powerを使用すればpHを下げるメインな要因である硝酸塩を窒素ガスに
して空気中に放出させてくれるので水の中の硝酸塩濃度は低くなりpHの安定化に結びつきます。