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- 2015.11.27
- 成長阻害-4
4.水質の急変(pHショック)
以前稚魚の選別をされているところを拝見した事があるのですけど稚魚池Aの水に稚魚池Bの鯉の稚魚を入れて選別されようとしたところいきなり稚魚が狂ったようにエラを極端に早く動かして苦しそうに動かしてその後何匹も死亡していました。
これなど考えられるのは「pHショック」です。
案の定稚魚池AのpH7.2,稚魚池BのpH8.4でした。
pHの存在は皆さんよくご存知だと思いますが、pHが1くらい違うだけで鯉の稚魚が急に死亡するなんて何か釈然としないですよね?
えらそうに書いている私もpHが、1違えばどれくらい違うのか感覚的に分りません。
なぜならそんな体験を自分自身の肌で感じた事が無いからです。
ですから一般的にはpHショックの事なんか想像も出来ないのが普通です。
でも魚にとっては1違えば彼らは100倍以上に感じてしまうのです。
熱帯魚のディスカスで例に取ればみなさん水温が違うとまずいと思い、ビニール袋のまま2~30分くらい水に浮かべて水温を合わせます。
これなど冷たい、熱いお風呂で経験しているから納得済みでこの作業は欠かしません。
その後pHを合わせずにいきなりこのディスカスを水槽内に入れるとpHが1以上(弱っている場合は、0.5)違いがあればいきなり狂ったようにくるくると回転をしながらまた体色も瞬時に真っ黒になり底まで一直線しエラを異常に激しく動かしたかなと思っていたら最後は心臓麻痺を起こした様にピクピクとした瞬間に死亡します。
その間30秒とかかりません。
このように水質の急変により、最も影響を受けやすいエラが損傷し呼吸困難になり、粘膜がやられて病気発生に繋がるケースが多くありますし最悪死亡するケースもあります。
極度にpHが違わないなら徐々には適応できます。
日頃から水質チェックはして行きましょう!
稚魚の選別時、選別後に稚魚池に戻す時、稚魚池から泉水池に移す時、泉水池から野池に移す時、出荷時に泉水池からビニールの水に移す時など多くの場合にこのpHショックを起こす危険性がありますし、軽度なPHショックもあります。
浸透圧の影響で粘膜が、痛みやすいので必ずpHをチェックすることと「Skin Water(Shinsuke製品粘膜保護剤)」を使用してください。
親魚であっても肌荒れ⇒病気の発生に繋がります。