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2020.02.07
微量元素で探る 海と湖の化学-4

バイオスポンジ

海洋における植物プランクトンの成長は、光量や水温とともに硝酸イオンやリン酸イオン等の栄養塩の量によって制限されます。
しかし南極海、太平洋赤道湧昇域、アラスカ湾などの海域では表層に栄養塩が多く存在するのも関わらず
植物プランクトンの現存量が低い。

それは「植物は成長に必須な因子の内、最小なものによって成長を制限される」というリービッヒの最小律
をベースで考えて水質検査を行うとFeの不足が計測されました。
あらゆるミネラルが様々な生き物の生命活動を維持しているのが良く分かる現象です。

Feについてはずいぶん前にオーストラリアのケアンズ近郊の海でFeの計測試験をした際にFe濃度により海藻のあるなしを実際に経験しています。
リービッヒの最小律恐るべし!

あくまでも仮説ですが、南極海にFeを散布することにより植物プランクトンが硝酸イオンをすべて消費したと仮定します。
この時Redfield比から計算すると64億トンのCO2が有機物として固定される。
これは現在化石燃料の燃焼と森林破壊によって毎年放出されるCO2量に匹敵します。
これが可能となれば現在の地球温暖化問題は解決することになるが、しかし
南極海表層の栄養塩濃度を急激に変化させることが、生態系に対してどのような影響を及ぼすかは定かではない。

さらに沈降した有機物の分解により深層に無酸素状態を起こす危険性もあります。
その他にも様々な道の問題もはらんでいます。
実際に科学者が一部海域にFeを海洋に撒いたところ爆発的に植物プランクトンが増殖したそうです。

但し私の考えでは、生態系のバランスを取ることは非常に難しい問題をはらんでいると思うので長年にわたり研究が必要だと思います。
しかし地球温暖化の脅威はすでに始まっていると思います。
対策だけでも早急に考えていかなければ人類にかなりの悪影響が出てくるでしょう。

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