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- 2020.05.22
- 塩とミネラルについて-4
陸上で必要最低限の塩で生き抜くことが出来るようになった人類はいつからたくさんの塩を摂るようになったのか?
人類はおよそ8000年前に自らの手で大量に塩を作り摂取し始めたのです。
その証拠としてルーマニアのある地域において地下からこんこんと湧き出る高濃度の塩水(海水の塩分濃度の7倍)を
古代の人は利用していたそうです。
確かにヨーロッパには「岩塩」が多く産出されています。
このせいでヨーロッパの地下水や水道水は硬度が高いのだと思います。
ですから古くからミネラルウォーター文化があったのでしょう。
この湧き水を燃やした灰に振りかけて塩の結晶を取り出したそうです。
世界最初の塩づくりだそうです。
日本でも縄文人が「アマモ」を利用して同じく塩を作っていたようです。
8000年前に人類は農耕を始めたそうでこの時期と塩づくりがどうも重なっているようです。
それまで狩猟が主な食糧源だったので動物を食することにより各種ミネラルは補充出来ていたと思います。
しかし農作物をメインに食べ始めることによりナトリウム不足に陥ったのです。
それと野菜などに多く含まれる「カリウム」が人類に悪影響を及ぼすようになりました。
それは不整脈を引き起こし最悪の場合心臓が止まってしまう事です。
過剰なカリウムを体の外に捨てようとするのが「腎臓」の役目です。
ところが尿の中にカリウムがたくさん流れてくる、すると腎臓はナトリウムを体内に吸収する穴を閉じてしまう。
こうして尿の中に押し戻したナトリウムを使って余分なカリウムを体の外に捨てる仕組みになっているのです。
私たちの腎臓は必要なナトリウムを体に取り戻すことよりも過剰なカリウムを排出すること優先させたのです。
こうした腎臓の仕組みがあるためにカリウムの多い農作物を食べれば食べるほど、祖先たちの体はナトリウム不足に陥ってしまう羽目になりました。
そこで人間が編み出したのが、ナトリウムの塊である「塩の結晶」を人工的に作り出す「製塩技術」です。
つまり必死に手に入れようとし始めた大量の塩は、ナトリウム不足を克服するためのいわば“サプリメント”だったと考えられるのです。