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- 2017.01.12
- バンコク時代に感じた事-4
「バクテリアが水をきれいにしています。」
この説明に多くの方が面食らう事と思います。
イベント会場などで「そんなものに頼ったら駄目だ」とお叱りを私自身受けたことも
あります。
水産関係の学校を出た方や水洗トイレ事業の方や水処理関係の会社でお勤めの方など
には非常に理解しやすい言葉です。
私もこのバクテリアの事を説明する際に大変苦労しています。
さて前回のロサンゼルスの会社の方に説明した事柄を書いてみます。
彼の会社の池のろ過は簡単に言えば物理ろ過だけです。
フィルーマットで粗ゴミ(エサの食べ残し、糞、錦鯉の粘膜など)を溜める
物理ろ過といわゆる強制ろ過だけでした。
生物ろ過槽は全くありませんでした。
但し生物ろ過と称してボール状のプラスチック製ろ過材を使用していました。
この材質のろ過材は「バイオフィルム形成」が出来ないので全く無意味であるとの
説明をしました。
物理ろ過についてはただ単に粗ゴミを溜めるだけでドンドン腐敗して来てpHも下がる
しアンモニア、亜硝酸塩濃度も上昇して非常に危険な飼育水になる説明をしましたが
理解を得るまでに相当な時間がかかったことを記憶しています。
強制ろ過についても掃除機と同じで毎日何度も逆洗をしないと目に見えない微細な
腐敗物が池にリターンしています。
ただし強制ろ過においては設置しないより設置した方が水質の為には良いと思います。
日常において経験した事の無い事柄を理解しようとしても非常に難しい事です。
ついでに亜硝酸塩の危険性について説明しておきます。
皆さんよく御存じの血液の「赤血球」の成分は「ヘモグロビン」と水で出来ています。
ヘモグロビンは、酸素と結合して体全体の細胞組織へせっせと運搬しています。
溶存酸素は重要なファクターなんですね!
しかしもし池の中に亜硝酸塩があるとヘモグロビンは、酸素と結合せずに大好きな
亜硝酸塩と結合してしまうのです。
従って体全体の細胞機能が劣化して来て最悪酸欠となり死に至るのです。
このように亜硝酸塩は非常に危ないものです。
毒蛇に手を噛まれると腕を縛りますよね?
もし長時間縛っていると手の先の方から壊死します。
まさしくこれが細胞の酸欠即ち細胞死亡です。
目に見えないアンモニア、亜硝酸塩に注視しましょう!