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- 2017.01.06
- バンコク時代に感じた事-3
タイの私の会社は毎週アメリカ ロサンゼルスに錦鯉を10,000匹輸出して
いました。
しかし当初ロサンゼルスの会社から度々クレームが来ていました。
「到着時は問題ないけど池に放つと途端に調子が悪くなる」と連絡が来ていました。
多分pHショックと生物ろ過の不足と思いましたのでかなり時間をかけて説明を
繰り返しました。
「pHショックと生物ろ過」については人間が生きていくために必要のない事柄で
学校の授業でも教えてもらえません。
pHは何となく分かるがpHショックとなるとまるで外国語のように聞こえます。
最近でこそテレビCMで「肌にやさしい弱酸性のボディシャンプー」と宣伝しています
ので「人間の肌は弱酸性なのか!」と理解できますがその当時錦鯉を飼育するのに
pHは理解出来るがpHショックと言う発想が無かったのかもしれません。
わたしは熱帯魚を昔からビジネスをしていましたからpHショックについては
良く知っていました。
錦鯉に比べて小さい熱帯魚、海水魚などはほんの僅かなpHの違いによりほんの
10秒で心臓まひのような症状で狂った様に回転しながら泳ぎ絶命してしまいます。
pH7とpH6は10倍酸性度が違うしpH7とpH5では酸性度が100倍違うと
説明しましたが、これを言葉だけで理解する事はまず出来ませんでした。
確かにpHテスターで調べればpH7とpH6では色が違うのは分かりますが人間の
感覚的にはその色が違う意味が理解できないのです。
そこで説明的には違うけど「塩酸が肌に触れるとどうなるか知っていますか?」と
質問したら「皮膚が焼けてやけどを負う」と答えてきました。
簡単に言えばpHショックとはそういう事で「全身に塩酸を被る事と同じですよ」と
説明したら顧客は「おおよその理解が出来た」と納得して頂きました。
それ以降見事にクレームは減少してきました。
私も魚類でないですからpHとは「どんな感覚」なのか未だに未経験なので良く
分かりません。