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2018.07.06
エラの役割について-2

Shinsuke-Mineral-Plus

前回に引き続いてエラの役割を説明していきます。

2.浸透圧調整とは人間にはピンと来ないことかもしれませんが、のどの渇きはどなたにも経験がありますよね?
人間の体重の約60%は水分であり血液では約83%が水分です。
その水分不足により体内の水バランスが崩れると脱水症状やむくみになります。
要は体液の水分バランスが取れなくなった時に生体防御反応として「のどが渇いた」と感じるのです。

では錦鯉の浸透圧調整とは何の事でしょうか?
錦鯉の体液には「塩分」が含まれています。
池の水には塩分が含まれていません。
すなわち体内は塩分濃度が濃いが、池の水には塩分濃度がゼロですね?

水が欲しい塩分濃度が濃い水(浸透圧が高い溶液)は塩分濃度が低い水(浸透圧が低い水)を欲しがります。
移動したいのです。
もし移動すれば錦鯉の体内(塩分濃度が高い)へ水(塩分濃度が低い)がどんどん入り込み体がパンパンとなり体液の
バランスが壊れて死んでしまいます。
ちなみに淡水魚は水を飲みません。
海水魚は海水を飲んでいます。

錦鯉のエラには「塩類細胞」と呼ばれる細胞が多く存在します。
この細胞は体内と池の水の浸透圧差(塩分濃度の違い)に対抗してNaイオンやClイオンなどのなどの塩類を能動輸送
する生命維持に欠かせない働きをしています。
塩=NaCl=Naイオン+Clイオンとなります。

ただし錦鯉が24時間行っている浸透圧調整にはもの凄いエネルギーを消費しています。
ですから調子の悪い時に塩を池に入れますが、これは錦鯉が浸透圧調整に消費するエネルギーを軽減させて体力を回復
させるための処置なのです。
私の考えですが常時塩を使用した池においては成長スピードは間違いないと思います。
ただし粘膜への影響もあると思いますので塩分濃度をいくらにするのか実験検証しなくてはなりません。

English Summary
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