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2017.04.28
インドネシア品評会における水質について

2016-1-1 (7)

少し古い話ではあるのですが、2012年6月インドネシアで行われたイベント会場で使用された水質について報告しておきます。
使用されていた水は、山の方から取ってきた水であると聞きました。
PH 8.3 GH 3.0 KH 4.0 導電率168マイクロジーメンス
ただしPHにおいては、会場の円形プールにて注水されて既にエアーレーションをされていたために8.3という高い数値を示していましたが私は実際に原水を計測しておりませんが、多分PH7.2くらいかと思います。

KH4.0(炭酸塩硬度)の数値で分るように緩衝作用が働き原水PH7.2がエアーレーションにより水中の二酸化炭素が空気中に放出されて約1日でPH8.3と上昇したようです。

ちなみに私の住む広島の水道水の数値はPH7.0 GH 0.5 KH 0.5 導電率80マイクロジーメンス
エアーレーションしてもPHは7.5以上上がりません。
これはKH(炭酸塩硬度)が0.5と低いためです。

多分錦鯉の最適なpHは6.8~7.5位であると私は考えています。
熱帯魚や海水魚などに比べたらもう少しpHの幅は広くても生息可能かもしれません。
ですから水質が多少悪くても生息出来るのは錦鯉の強靭な体から来ているのかもしれません。

この事に甘んじて水質管理がおろそかにされている愛好家が多いのもイベント会場における愛好家の話からも知ることが出来ます。
「pHなんか気にしていたら錦鯉は飼えない」とか「水が悪いと思ったら水を換えれば良い」とのお話を数多く聞いてきました。
料理を作る時やコーヒーを飲む際に人間は必ず味見をして調味料や砂糖を追加します。
錦鯉が住んでいる水質を調べない方がおかしいと私は思いますが?
皆さんはどう思われますか?

それでは「錦鯉の立場」から考えるとこんなにpHが高かったり酸性度がきつい水の中では「粘膜が剥がれ落ちるから嫌だ!」「ここから早く逃げ出したい」などと思っているはずです。
彼らは100%思っています。
pHについては人間の感覚では捉える事の出来ない事柄です。
理解出来るとすれば塩素漂白剤が皮膚に直接付着した時に肌がヌルヌルになったりボロボロになる時などでしょう。
ちなみに塩素系漂白剤のpHは11位あります。

漂白剤のpHほど高くないが先ほどのインドネシアイベント会場のpH8.3はやはり相当高い数値であると思います。
天然海水のpH(世界の平均値であり地域によりpHのバラつきがあります)数値は8.2。
しかし最近地球温暖化の元凶である二酸化炭素の影響で8.1位にまで落ちてきているそうです。
「たかだか8.2から8.1の0.1だけ下がっただけじゃないか?」と思われる人がおられると思いますが
生息している生き物にとって非常にストレスを感じて細胞などを痛めています。

先ほど錦鯉の最適なpHは6.8~7.5位であると言いましたが実際にはpH7.0~7.2がベストかもしれません。
この問題はいずれ解明されるでしょう。

安定した水温、安定したpH、GHなどが錦鯉にとって理想的な水質環境であると思います。
変温動物である錦鯉は水温に体の体温を合わせなければならないしpH,GHにより粘膜が剥がされる恐れもあるし
相当なストレスを抱え生活しています。
この事を理解して飼育管理に取り組んでください。

English Summary
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